やはり傑作「川の底からこんにちは」

5月31日 月曜日

 なんとか時間を作ってようやく満島ひかり主演の「川の底からこんにちは」を見る。渋谷のユーロスペースで見たのだが、平日の昼間ということで、せいぜい20人位の入り。意外と、50歳以上と思われる方が多く。映画内の笑いの反応は、それらの方が良かった。前作の「カケラ」では見られないことだろう。「カケラ」よりは、一般的で分かりやすいし、「剥き出し」を撮りたいという石井監督には、一気に開き直る、豹変するキャラクターの満島ひかりはおあつらえ向きなのだろう。
 人間の剥き出しと中の下の人間への応援というのが映画のテーマ。子役にまでそのような行動をさせてしまうところにあざとさは感じてしまうが、映画ではデフォルメもあるので、しょうがないだろう。十分に納得させられた。
 満島ひかりは、さすがに好演。個人的には、「カケラ」的な受けのキャラクターと「愛のむきだし」の攻撃的キャラクターの両方を演じ分けられたと思う。というか受けから攻撃への転じるところがこの映画のだいご味の一つだからだ。このような転じかたは「ブラッディ・マンディ」でも見られたが、特に受けの部分の演じ方がこの映画では秀逸だ。
 「愛のむきだし」の次に満島映画では好きだ。